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Posted by ミリタリーブログ at

2014年08月28日

シュッツブリレ



ドイツ連邦軍で用いられている装備品には技術仕様書があってメジャーな装備であればPDF形式でその辺に転がってます。


普段は手持ちの装備品の理解に役立てているのですが、暇なときになんとなく見ていたりするとちょっと意外な発見もあって楽しいものです。



ある日、広大なネットの海を泳いでいると不可解なタイトルの技術仕様書に出会いました……



Schutzbrille Inf, schwer



う~ん、あえて訳すと「歩兵用 重ゴーグル」……


Schutzbrille(直訳すると保護メガネ)という単語自体は防塵ゴーグルからバリスティックゴーグル、シューティングレンズまで含むわけですが、
schwerと修飾することでバリスティックゴーグルに限定する意図があるのだと思います。




こんな図が添付されていましたが……



なんだろう? 心当たりがない……


時期的にグラディウス(=IDZ-ES)にでも導入されたのかな? なんて予想しながら画像を漁っていると……





あっ





ここでかぁ


IDZ-ESの計画の一つですよね。ゴーグルはオークリーのバリスティック。



仕様書を詳しく見てみると「SCHUTZBRILLE, SONNE, WIND UND STAUB」の名目が見られるわけですが、


BoardingkompanieとSCHUTZBRILLE, SONNE, WIND UND STAUB。黒いものはバリスティックレンズみたいです。

旧来のコレ↑に替わる装備品ということですよね?




あれ? じゃあIDZ-BS(ベーシック)で導入されたEPS21は?



またもやBoardingkompanieとGentexのEPS21。



そういえば最近見ない……?



じゃあ今はオークリーなの? とグラディウスのテスト運用部隊をチェックしてみると……









おっ ESS ですか





ヘルメットとの相性が良く国内外問わず良く見られます。


これより少々昔だとボレのX800が特殊系を中心に使われていましたね。


さらに遡るとCARRERAのスキー用とおぼしきものが……








Tschüs



  

Posted by Nekotin at 19:53Comments(0)ドイツ連邦軍

2014年08月23日

BRISTOL ARMOUR 【 ブリストルアーマー 】





1993年のソマリア派兵に先立って調達された英国MEGGITT製ボディアーマー「BRISTOL ARMOUR」

80年代末に導入されたSplitterschutzweste(防破ベスト)のSK1レベルのソフトアーマーは、砲弾や手榴弾の(爆発によって飛来する)「破片」を防ぐことが可能であったものの抗ライフル弾性能に劣っていましたので、危険度の高い海外派兵に向く物ではありませんでした。90年代初頭になり、海外派兵の必要性が増してきたというところで(ここがソマリア派兵のタイミングとなるのですが)、BWはてっとり早く抗ライフル弾性能を持つボディアーマーを英国MEGGITT社に要求し、当時ほかのどのようなボディアーマーより優れた耐弾性能を持つブリストルアーマーを採用しました。

ブリストルアーマーは1998年からSchutzweste STへ順次置き換えられるのですが、2003年頃まではその姿を見ることが出来るみたいですね。




英国製ゆえDPM柄です。最近のBWマルチカムスタイルがどうのこうのってレベルじゃない……。

なんで私はDPMナイロンなんか持ってるんだ!?


……

構造的にはほぼSchutzweste ST、というかSTの元ネタがこれ。

SK1ソフトアーマーとSK4プレートを前後に挿入できます。





マグポーチ(?)……なにを想定して設置したのか不明ですがG3やG36の弾倉を(無理矢理)入れることが出来ます。





背面。SK4プレートの収納スペースが分かるかと思います。前後両面の下部にベルトループが備わっているのですが、システム95系ベルトは幅が足りず保持できません。





背面にはSEM52が収まりそうなポケットが。入れ口はゴムで絞られています。





BRISTOL ARMOUR(直球)

ラベル下には持ち主の情報を書く欄がありますが、この個体は新品なためか記入はありませんでした。

NSNの国籍識別番号(NCBコード)は「99(=英国)」でした。

「SK2も挿入できるぜ!」という文もあります(SK2がどんなものかは知らない……)。





Schutzweste STと同様、ジッパーでグローインアーマーを追加できます。





存在感あります。グローインにはSK1ソフトアーマー、SK4プレートの両方を収納可能。





この点もSchutzweste STに引き継がれています。STではファステックスですが。

その横のタブは何に使うか不明。

黄色い肩当てもブリストルの特徴。この部分、使い込むと黒くなります。






ソマリア派兵(UNOSOM2)で導入された~と上で書きましたが、この画像がおそらくそれ

第261降下猟兵大隊第3中隊とのことでしたがUNベレーでないのでもしかしたらIFOR等のNATOミッションの画像かもしれません。

F1らしき上着を着ているみたいなので、このブログではソマリアと言うことにしておきます。

追記:IFORの画像のようです。F1はKFORなんかでも使われたみたいですね。

さらに追記:う~ん、やっぱUNOSOMⅡで。腕章が気になるw






KFORから。チェックポイント配置やパトロール等の危険性の高い任務に従事する部隊にブリストルが支給されたのだと思います。






こちらもKFORでしょうかね。グローインの使用が分かると思います。






ISAFから。派遣初期の隊員が部分的にブリストルでした。ポーチにG36のマガジン。



その他、SFOR、マケドニア派遣などで見かけます。(そういえばマケドニアで「ブリストル vs G22」実験を行った兵士たちがいましたね……)

90年代の海外派兵はこれがあればだいたい再現できそうです。システム95系ロードキャリアとの組み合わせもOK





今回ブリストルアーマーを2着入手しまして、綺麗な1着(ブログで使用)はよそへドナドナしました。

私の手元に残ったのは大分ボロいのですが……まぁ機会があればお見せしましょう……。

(ボロい方は脇腹にベルクロ付きの革の継ぎ足しが縫い付けられておりました。ウエストの大きな人が身に付けていたのでしょう……)





今回は中央揃えにしてみました。結構見やすくなったと思いますがいかがでしょう?

Tschüs!!
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2014年08月22日

夏休みの自由工作 【 LLM01 カバー 】


みなさん夏休みはいかがでしたか?


夏休みと言ったら、そう 自由工作! (唐突)







 テ デ ド ン


大学生活最後の夏(になってくれればいい…)を迎えた私の作品はコレ! 『LLM01カバー君』





バウムクーヘンみたいなパンツァーテープ(ダクトテープ)と裾ゴム、あまったナイロン布で適当に作りました。








実例としてはこんな感じ。なかなかディテールの分かる画像が見つからなかったのでそれっぽく……




KSKでときおり見かけるので特殊界隈の文化なんでしょうかね? 他ではあまり見ないような




何かの容器のキャップらしき部品を使っていたり




輪ゴムを使っていたりと自由です。自由工作ですから……






カバーの用途としてはハロゲンランプの光漏れ防止だとか言われていますが実際のところどうなのか良く分かりません。

全体的に使用例が少ないので……。




Tschüs!!
  

Posted by Nekotin at 18:47Comments(0)ブンデス小物

2014年08月21日

兵科リボン 補遺


またもやめくるめく兵科リボンの世界へ……


個々の部隊からリボンの色にアプローチしてみましょう。


・Luftlandeaufklärer


空挺偵察中隊です。パラシュート展開能力を持った偵察部隊で斥候部隊はウィーゼルを運用します。

空挺部隊の一つですが偵察任務に従事する隊員は偵察兵科のゴールデンイエローの兵科リボンを使用しています。

彼らは主に空挺用ベレー(ワインレッドのベレー帽に鷲のバッジ)を着用します。

これが「鷲+稲妻+交叉した旗」のバッジになるとFernspäherに。ちょっと面白いですね。
(ベレー章についてはこちらをご参照ください)



・Luftlandepioniere


続いて空挺工兵中隊です。パラシュート展開能力を持った工兵としてEODや重機の運用を行います。

工兵として所属している隊員は黒い兵科リボンを付けています。

ベレーは他の空挺部隊と同様、ワインレッドのベレー+鷲バッジです。


・Luftlandeartillerie


空挺砲兵です。聞きなれない部隊ですがかつて存在しました。

空中展開応力を持った砲兵としてOto Melara(伊)のMod56山砲を”GebHaub 105”として運用していました。

砲隊の隊員はG3A4で武装したれっきとした空挺です。

そのため空挺ベレーを着用していましたが(追記:この部分は見間違いでどうも普通に砲兵ベレーを用いていたようです)兵科リボンは砲兵の赤です。

ちなみに現在の降下猟兵大隊 第5中隊の迫撃砲小隊隊員は緑の兵科リボンでした。迫撃砲オペレーターは「砲兵」に含まれないようです。


……

上記のように所謂「空挺」であっても役割によって兵科リボンが異なってきます。
(これは空挺部隊以外の場合にも当てはまります)

兵科リボンは部隊に依存するものと言うより、兵士個人の持つ能力(どのような訓練を受け、どのような任務に従事しているか)を示していると言えます。
(一方でベレーはどちらかというと所属しているおおもとの組織の物を使うことが多いです。空挺偵察、空挺工兵、空挺砲兵は「空挺」という大まかなまとまりを根拠にベレーを着用しています)


・その他

Luftlandefernmelder
空挺部隊の通信兵です。レモンイエローの兵科リボン。




Luftlandeunterstützungsbataillon272(空挺支援大隊)の兵站要員。ミディアムブルーの兵科リボン。




ざっとまとめてみましたが兵科リボンに関してはまだまだ奥深い世界が隠されていることでしょう。



BWフォトを見るとついつい肩あたりをチェックしてしまう人も、そうでない人もTschüs!
  

Posted by Nekotin at 18:14Comments(0)ドイツ連邦軍

2014年08月17日

兵科色と兵科リボン


味気ない迷彩服を素敵に彩るアイテム「兵科リボン」のご紹介。




主に陸軍で用いられておりドイツ本国では「Litzen」などと呼ばれています。

その名の通り兵科ごとに異なった色(兵科色)を使っており、これを見るだけでどのような部隊であるかが丸分かりになるというわけです。

これらは通常、肩についているエポレットの根元に挿し揉みます。

皆さんもお気に入りの兵科をチョイスして兵科リボンを使ってみましょう!


※ベレーの色と異なる場合がほとんどです! 確認してみましょう

兵科と兵科色をBW公式文書「ZDv37/10」からチェックしてみました

対ABC部隊("ABC-Abwehrtruppe")=ワインレッド(bordeauxrot)

第750対ABC連隊(追記:よく見るとORFリボンなのでちょっと微妙ですね……)
(やはりORFでしかなかったので差し替え。第7対ABC大隊から)



砲兵&地形測量隊("Artillerietruppe"&"Topographietruppe")=赤(hochrot)
※測量隊は伝統的な理由で砲兵と同じ色を用います。

観測用マーダーに搭乗した砲兵
TZG90が載っていないようなので普通のマーダー。Saber Junction 2012からなので第104戦車大隊ですがマーダー自体は第401装甲擲弾兵大隊のものかも(面倒くさい)。



憲兵("Feldjägertruppe")=オレンジ
※現在では戦力基盤軍に所属。

(※以前はISAF派遣の画像でしたがより分かりやすいKFOR派遣に差し替えました)



通信部隊("Fernmeldetruppe")=レモンイエロー(zitronengelb)

第210山岳通信大隊。左端の見切れている人に注目。ベルクロ階級章に兵科リボンを通して貼り付けています。



陸軍航空隊("Heeresfliegertruppe")=グレー(hellgrau)

(※より分かりやすいものに画像を差し替え)



歩兵&装甲擲弾兵("Infanterie"&"Panzergrenadiertruppe")=緑(jägergrün)
※歩兵は猟兵、山岳猟兵、降下猟兵、陸軍衛兵大隊の事。

降下猟兵



軍楽隊("Militärmusikdienst")=白

リボンの画像があったので差し替え。ベレーの色は所属する母体によって異なるみたいです。



装甲偵察隊&陸軍偵察隊("Panzeraufklärungstruppe"&"Aufklärungstruppe")=ゴールデンイエロー(goldgelb)
※Fernspähtruppeもここに含まれます。

陸軍偵察科。銀色の士官候補リボンを装着したFähnrichです(後述)


戦車部隊("Panzertruppe")=ピンク(rosa)

戦車部隊


工兵("Pioniertruppe")=黒

第550装甲工兵中隊の工兵


陸軍衛生部隊("Sanitätstruppe")=ダークブルー(dunkelblau)

衛生兵と左は空軍の軍医



整備部隊&兵站部隊("Technische Truppen")=ミディアムブルー(mittelblau)

兵站部隊




この他将軍(※)が炎色(Feuerrot)、参謀がラズベリー色(Himbeerrot)の兵科リボンを使用します。
※この場合は准将~大将が当てはまると思います。

陸軍航空隊の偉い人。左の人は空挺な感じもします。目が肥えていないので将軍用リボンなのか参謀用リボンなのか分かりませんw
(追記:考えてみりゃ金刺繍階級章でないということは佐官なので参謀ですね)



現在、空軍に移されている防空部隊("Heeresflugabwehrtruppe")はコーラルレッド(korallenrot)でした。
(赤系はまるで見分けがつきません……)



今回参照したZDv37/10では言及されておりませんでしたが駆逐戦車隊("Panzerjägertruppe")では初期のころダークグリーン、
60年代から緑(jägergrün)、70年代末から戦車部隊と同じピンクを用いました。このように兵科色が途中から変更された兵科もあり、
Fernspähtruppeは1976年に緑(jägergrün)からゴールデンイエロー(goldgelb)に変更されました。



というようにベレーの色と兵科色が一致しているのは砲兵、猟兵、装甲擲弾兵、陸軍衛生部隊のみです。

(各兵科のベレーの色についてはこちらを参照していただくか、有名サイト・ブログ、書籍等でご確認ください)






手持ちのものから

①が歩兵・装甲擲弾兵用の緑、②は偵察部隊のゴールデンイエロー、③は憲兵

④は兵科リボンではなく士官候補生(Offizieranwärter)であることを示すリボンです。



士官候補生大隊の士官候補生。士官候補生大隊では兵科に関わらずマリンブルー(marineblau)のベレーを着用します(ベレー章は各兵科のものを使います)。




士官候補生大隊で6か月の士官候補教練過程を修了、12か月の通常勤務の後にFahnenjunkerに昇進できます。
(Fahnenjunkerの階級章はUnteroffizier階級章と士官候補生リボンを組み合わせた物)

21か月の勤務経験があり、士官課程を卒業するとFahnenjunkerからFähnrichに昇進できます。
(Fahnrichの階級章はFeldwebel階級章と士官候補生リボンを組み合わせた物)

次の段階、Oberfähnrichへは少なくとも兵士として30か月間勤務している必要があります。このような手順を踏み少なくとも入隊後36か月勤務した後に少尉に任命されます。
(Oberfähnrichの階級章はHauptfeldwebel階級章と士官候補生リボンを組み合わせた物)



ちなみに軍曹候補生(Feldwebelanwärter)というものもあり、その場合は金色のリボンを組み合わせます。




実際の部隊において兵科リボンがどのように用いられているかは次回に……


Tschüs!
  

Posted by Nekotin at 19:36Comments(0)ドイツ連邦軍