2022年02月12日
Kampfjacke, kurz KBS SK 5FTD
ドイツ連邦軍が新たに用いる戦闘服から、今回はアウターウェアをご紹介します。
IdZ-ESの一部要件として導入された新型戦闘服ですが、NRF指定部隊などではすでにおなじみですね。
こちらは「Kampfjacke, kurz」(=バトルジャケット、ショート)といいまして、これまでの「ブルーゼ」とは一線を画す、戦闘的な印象の衣服です。
kurzがあればlangもあるわけですが、langはよりスモックに近い形状をしています。
これまで兵士たちが自弁してきたような民生の衣類を参考にしたのでしょう、裁断といいポケットといいなかなかにゴツい印象です。
追記:正確には純粋なIdZ-ESモデルではなく、KBS SK版として再設計されたものです。IdZ-ES版のkurzとは異なるカッティングとなっています。
一見して防寒に焦点を当てているような印象もありますが生地そのものはペラペラでオールシーズン通用しそう。
ボディアーマーとの相性を重視しているためか胴回りのポケットは薄い胸ポケットのみ。
そのかわり上腕のポケットに容積があてられています。
特徴的な襟のモコモコ、上でオールシーズンと書きましたが夏場はさすがに厳しいか。
高気温環境下では同じ新型セットに含まれるコンバットシャツを着用するのでしょう。
任務や活動地域に応じて様々な組み合わせに調整することを前提としているようですね。
肩の国旗は健在です。ポケットはベルクロとペン挿しの付いたゴツいやつ。
ベルクロベースは階級章のためだけに最小限といった感じ。まぁ余計なパッチを付けられても統制側は困るでしょうから……
下腕にも小さな容積のポケットが付きます。
腕の内側にはベンチレーション用のメッシュがあり、ジッパーで開閉できます。
脇の下にも同様のベンチレーションが。
この新型ジャケットに比べればこれまでのブルーゼなんてただの作業着です。
胸ポケットは上側ベルクロとサイドジッパーでアクセスできますが、空間は繋がっていません。
容積はあまりなく、あくまで身分証や予防接種記録を収納するためのものでしょう。
胸の中央にはスリップオン階級章のためのタブがあります。
現在ではIdZ-ESに関わる衣料品はKampfbekleidungssatz Streitkrafte(KBS SK)として独自にまとめられるようになったみたいです。
ほぼIdZ-ESと共通らしいのですが、IdZ-ESはHexoniaによる独占的な供給であったのに対し、KBS SKでは3つのメーカが関連しているとか。
ちなみに中央統制ではすでに「Feldanzug, Tarndruck, Einsatz」という項目でまとめられています。
2031年までにKBS SKはすべての兵士に行き渡る計画とのこと(IdZ-ESに関係なく)。
現在のところはVJTF2023の指定部隊(=PzGrenBrig37)に優先配備ということのようです。
ということでこれまでのブルーゼ/ホーゼ式の戦闘服もまだまだ使えますが、戦闘部隊を中心にこれらKBS SKが増えていくことでしょう。
(※とはいえ統制上はまだブルーゼ/ホーゼ式が正式なのでフォーマルな場ではこちらが使われます)
Tschüs!!
Posted by Nekotin at 19:47│Comments(0)
│ブンデス衣料