2022年02月27日
Kampfhose KBS

前回に引き続きIdZ-ESの新型衣料です。
といいたいところですが放出品は入手出来ておりませんので代打でLEO KÖHLERの民生衣料「Kampfhose KBS」を取り上げます。
連邦軍の調達上は単に「Kampfhose」と呼ばれているようです。
これまで主に特殊部隊向けに供給されていたEinsatzkampfhoseをベースに設計しているようで、共通点が多くあります。

タグにKBSとありますがこれはKampfbekleidungssatz Streitkrafteのことでしょう。
LEO KÖHLERが官給品を真似て民生品として世に出したということだと思いますが、どれほど正確につくられているのでしょうか。
LEO KÖHLERは素材レベルで微妙にアレンジしちゃいますからね。

円い膝当てや改良型のカーゴポケットなどぱっと見の特徴は押さえてあるように見えますが果たして。

腰回り。ベルトループなどはさほど特徴的ではありません。
左右のポケットはボタンフライになっていますがこれは官給品も同じなようです。

脚の内側にはベンチレーション用のジッパーが。例によってメッシュ張りです。

足首回り。内側には擦れ防止のためかナイロン生地が縫われています。
二重裾になっており、内側の裾はメッシュで形成されています。

官給品はメッシュの色が茶色いですが概ね似た構造でつくってあると思われます。

ドローコードのまとめ方が丁寧です。メッシュ裾は大分長いことがわかります。
これは裾の折り込み処理を新しく配備されるハイカットとミッドカットの2種類のブーツに対応させるためなのかもしれません。

脹脛にポケットが付くようになりました。膝を付いたときなどに利用するようです。
底部分はナイロンで補強されているという手の込みよう。

これも官給品に見られる要素ですね。
こんなところに付けて邪魔にならないのかとも思いますが、狭い車内に座っているときなどは逆に出し入れしやすいのかもしれません。

カーゴポケットはEinsatzkampfhoseを改良したような形状です。こちらも底部がナイロンで補強されています。
絞りのためのナイロンテープが内側に通されています。
官給品もテープの色味や質感の違いはあれど同じ構造でしょう(官給品はエラスティックテープかも)。

Einsatzkampfhoseと違い、2つのボタンは隠しタイプです。
ポケットのサイズは多少小さくなっているような気がしますが、その分マチが大きくなっているようにも感じます。
参考サイト:Calpis is Justice
こちらは2014年製なのでまだ膝当てが四角く、脹脛のポケットもないようです。

こちらは2014年ごろに検討されていた資料から。やはり膝当てが四角く、脹脛ポケットもありません。
この時点ではカーゴポケットのボタンは1つで、2つのスナップボタンが併用されています。二重裾もメッシュではありません。
さて全体的な所感ですが、ジッパーや素材色/質感など細かい点を気にしなければ十分代用できるレベルだと思います。
(まだマニアの目が肥えていない段階だからだというのもありますが)
膝パッドは付属しない点は要注意です。
Tschüs!!
タグ :IdZ-ES
2022年02月20日
Combat Shirt SK 5FTD

前回に引き続きIdZ-ES(KBS SK)に含まれる衣料を取り上げます。
こちらは以前3FTD版も紹介したCombatCombat Shirt SKです。
5FTDとなると迫力を感じます。

前回のKampfjacke kurzと似たような様式のポケットですがよく見ると微妙に違う。
仕様を変えているのか年代による違いなのかははっきりしませんが、いずれ答えが見つかることでしょう。

腕の内側にはベンチレーション用のジッパーが。
ジッパータブが暴れないように下腕側に押さえが付くようになりました。

ジッパーを開けるとメッシュになっています。
なかなかの高機能コンバットシャツだといえますが、これを全軍に行き渡らせようとする意気込みも半端じゃない。

肘パッド用のポケットは相変わらず大きくゴツめな印象です。
これのおかげかちょっと甲冑じみたテイストになるんですよね。
トルソー部も相変わらずのぴちぴちピッチです。

肘パッドはこんなにボコボコしていて大丈夫なんでしょうか。
実際のところあまり使ってないのかなとも思います。

ついでのネックゲイター(Staubschutztuch)。これも「Feldanzug, Tarndruck, Einsatz」の一部です。
ブラウンの方は厚手で冬季向けな感じ。オリーブの方はいくらか薄手で通年用と思われます。
19年の中央統制にはオリーブのものだけ掲載されています。

外観上は特に特徴もないのでこういうところで判断するしかありません。

IdZ-ES(おそらく正確にはSystem Panzergrenadier)の先行運用部隊であるPzGrenBtl212から。
2018年頃だったでしょうか、この画像によって初めて5FTDのSKコンシャツを認知したと記憶しています。

昨年のeFP部隊から。もちろんこうした欧州危機対応型の海外派遣部隊でも見られます。
海外派遣を中心とした作戦部隊はもうすっかりIdZ-ESベースの装備になりましたね。
参考サイト:Calpis Is Justice
Tschüs!!
タグ :IdZ-ES
2022年02月12日
Kampfjacke, kurz KBS SK 5FTD

ドイツ連邦軍が新たに用いる戦闘服から、今回はアウターウェアをご紹介します。
IdZ-ESの一部要件として導入された新型戦闘服ですが、NRF指定部隊などではすでにおなじみですね。
こちらは「Kampfjacke, kurz」(=バトルジャケット、ショート)といいまして、これまでの「ブルーゼ」とは一線を画す、戦闘的な印象の衣服です。
kurzがあればlangもあるわけですが、langはよりスモックに近い形状をしています。
これまで兵士たちが自弁してきたような民生の衣類を参考にしたのでしょう、裁断といいポケットといいなかなかにゴツい印象です。
追記:正確には純粋なIdZ-ESモデルではなく、KBS SK版として再設計されたものです。IdZ-ES版のkurzとは異なるカッティングとなっています。

一見して防寒に焦点を当てているような印象もありますが生地そのものはペラペラでオールシーズン通用しそう。
ボディアーマーとの相性を重視しているためか胴回りのポケットは薄い胸ポケットのみ。
そのかわり上腕のポケットに容積があてられています。

特徴的な襟のモコモコ、上でオールシーズンと書きましたが夏場はさすがに厳しいか。
高気温環境下では同じ新型セットに含まれるコンバットシャツを着用するのでしょう。
任務や活動地域に応じて様々な組み合わせに調整することを前提としているようですね。

肩の国旗は健在です。ポケットはベルクロとペン挿しの付いたゴツいやつ。
ベルクロベースは階級章のためだけに最小限といった感じ。まぁ余計なパッチを付けられても統制側は困るでしょうから……

下腕にも小さな容積のポケットが付きます。
腕の内側にはベンチレーション用のメッシュがあり、ジッパーで開閉できます。

脇の下にも同様のベンチレーションが。
この新型ジャケットに比べればこれまでのブルーゼなんてただの作業着です。

胸ポケットは上側ベルクロとサイドジッパーでアクセスできますが、空間は繋がっていません。
容積はあまりなく、あくまで身分証や予防接種記録を収納するためのものでしょう。
胸の中央にはスリップオン階級章のためのタブがあります。
現在ではIdZ-ESに関わる衣料品はKampfbekleidungssatz Streitkrafte(KBS SK)として独自にまとめられるようになったみたいです。
ほぼIdZ-ESと共通らしいのですが、IdZ-ESはHexoniaによる独占的な供給であったのに対し、KBS SKでは3つのメーカが関連しているとか。
ちなみに中央統制ではすでに「Feldanzug, Tarndruck, Einsatz」という項目でまとめられています。
2031年までにKBS SKはすべての兵士に行き渡る計画とのこと(IdZ-ESに関係なく)。
現在のところはVJTF2023の指定部隊(=PzGrenBrig37)に優先配備ということのようです。
ということでこれまでのブルーゼ/ホーゼ式の戦闘服もまだまだ使えますが、戦闘部隊を中心にこれらKBS SKが増えていくことでしょう。
(※とはいえ統制上はまだブルーゼ/ホーゼ式が正式なのでフォーマルな場ではこちらが使われます)
Tschüs!!
タグ :IdZ-ES