2022年06月11日
Kampfhose, IdZ-ES
IdZ-ESの一環で導入された新型Kampfhose (Kampfanzug Hose)です。
以前取り上げたKampfjacke, lang/kurzと共にアウターセットを構成する品ですが、こちらはKBS SKより前のモデル。
基本的にはEinsatzkampfhoseの発展型と言えます。
膝パッドはソフトタイプとハードタイプがセットされますがハードタイプのみ付属してきました。
大型カーゴポケットはEinsatzkampfhose由来でさらにKBS SKに引き継がれます。
KBS SKでは底部がナイロン地になっているので試験運用中に擦過が問題になったのでしょう。
Einsatzkampfhoseでは露出していたポケットを引き締めるためのバンド。
引っかかりをなくすために生地内に埋め込む方式をとったようです。
裾部分はメッシュ地です。害虫の侵入を防止したり、小石がブーツに入ることを防ぎます。
メッシュの裾についているスナップボタンのループはブーツの靴紐に通してずり上がりを防止するためものです。
ここがメッシュ生地なのはトロペン版だからということのようで、5FTDノーマル版ではウィンドブレーカ生地となっているようです。
(ただしKBS SKではどちらの場合もメッシュ)
ボタンとフックループで様々なサスペンダーに対応します。
参考資料:Calpis Is Justice
Tschüs!!
2022年06月04日
Kampfjacke, lang 3FTD
"Kampfjacke, lang"です。
前回取り上げた"Kampfjacke, kurz"はKBS SK版なので、今回のlangとはちょっと形状が違います。
(KBS SK版のlangもちゃんと存在しますがIdZ-ES版とはカッティングが異なります)
特徴的な襟の内生地はKBS SK版にも引き継がれました。
IdZ-ES版のlangには肩パッドが仕込まれています。生地も少し硬いものが使われている様子。
これは縫い込みで取り外すことはできません。アーマーやバックパックの負荷を和らげるためのものと思われます。
IdZ-ES版のkurzも同じように肩パッドが仕込まれていますが、KBS SK版ではどちらにおいても削除されました。
左胸にはネームテープ用ベルクロとスリップオン階級章用のタブが。
胸ポケットはサイドジッパー式で脇から手を差し込む方式です。身分証を入れる程度の役割だと想像できます。
アーマー着用時のアクセス性を意識したのでしょうか。ちなみにポケット内側はメッシュ生地となっています。
IdZ-ES版のkurzも同じような構造ですが、KBS SK版では全く異なる形状のポケットとなっています。
上腕部のポケットもKBS SK版とはちょっと違う構造。
ジッパーポケット内にはミニポケットとコードを括り付けるためのループが備えられています。
ベルクロ部はポケット状になっており、一部がペン挿しとして使えます。
内部にはこのようなループが収納されています。
アームバンドなどを吊り下げるためのもののようです。
右腕側にはペン挿しがない代わりに黒い紐が付けられています。
仕様書によるとUSBを括り付けるためのものだとか。
肘パッドはハードタイプ(左)とソフトタイプ(右)がセットされます。
同時セットが可能でハードが外側、ソフトが内側という考え方のようです。
ちなみに肩パッドもソフトタイプと同じマテリアルが使われていると考えられます。感触が同じなので。
ベンチレーションは脇腹から上腕までひとつながりになっています。
下腕ポケットにはマリ行きの空軍用航空券が入ってました。
ジッパーとベルクロとボタンの3方式を併用。
スモックだとこうした組み合わせがありますが、ジッパーとベルクロを並列にしてボタンを裾側に配置している点が珍しい。
(ジッパーとボタンを並列にして裾側のみベルクロで補うという方法はスモックで度々見られます)
2枚あるボタンのうち1枚、下側のみ切り取られていました。邪魔だったのでしょうかね。
裾の大型ポケットは前後合わせて5つあります。本格的なスモックに迫る勢いです。
この位置であればアーマーを着用しててもアクセスできるはず。
KBS SK版ではこのポケットの一部にファステックスを使っているので容易に識別ができます。
これらのポケットにはすべてサイドアクセス用のジッパーが付きます。
前回のKBS版kurzは2014年Blücher Systems製で、今回のIdZ-ES版langは同年Gustav Wahler製です。
同じ製造年ですがジッパータブが異なります(Blücherはプラ、Wahlerは布)。
この他にもIdZ-ES版とKBS SK版では細かな点がいろいろと異なります。
(本来はkurzとkurz、langとlangを比較すべきでしょうがまだ入手していないので……)
Tschüs!!
2022年05月22日
Kampfjacke, kurz KBS SK 3FTD
"Kampfjacke, kurz"の3FTDバージョンです。
製造はBlücher Systemsで、2014年製。
以前5FTDバージョンを取り上げているのでこちらもどうぞ。
構造的には同じものです。
追記:こちらは純粋なIdZ-ESモデルではなくKBS SK版として再設計されたモデルです。
特徴的な襟の内生地。
製造元の違いなのか年代の違いなのか不明ですが、この部分がコヨーテブラウンのものもあります。
相変わらず迷彩生地自体はペラペラで、ミドルレイヤーとのレイヤリングを前提としていることが分かります。
左胸ポケット(ベルクロ側)には消しゴムが入れっぱなしになっていました。
いかにもドイツらしい2色消しゴムです。鉛筆も入れたままにしてほしかった。
同じくジッパー側には官給メモパッドが仕舞われっぱなしに。
書き損じ程度の情報しか書かれていませんでしたので詳細は不明。
5FTDを書いてた時には気づかなかったのですが、裾の内側に小さなポケットが付いています。
これこそ消しゴムを収納するのにちょうどよさそうです。
肘部には本来もっとしっかりしたパッドが入っているものと思われますが、ハンペンの切れ端のようなマットが入っていました。
左下腕のポケットからは耳栓とタブレットのゴミ。耳栓はハワードライトのPROTIPSでした。
タブレットの方はIbuHEXALという鎮痛剤。バファリンみたいなもんでしょうかね。
痛みに耐えながら任務を遂行する前の持ち主の姿に涙が出ます。
右側からも同じ耳栓が出てきました。
kurzがあればlangもある、ということで次回はKampfjacke, langです。
Tschüs!!
2022年02月27日
Kampfhose KBS
前回に引き続きIdZ-ESの新型衣料です。
といいたいところですが放出品は入手出来ておりませんので代打でLEO KÖHLERの民生衣料「Kampfhose KBS」を取り上げます。
連邦軍の調達上は単に「Kampfhose」と呼ばれているようです。
これまで主に特殊部隊向けに供給されていたEinsatzkampfhoseをベースに設計しているようで、共通点が多くあります。
タグにKBSとありますがこれはKampfbekleidungssatz Streitkrafteのことでしょう。
LEO KÖHLERが官給品を真似て民生品として世に出したということだと思いますが、どれほど正確につくられているのでしょうか。
LEO KÖHLERは素材レベルで微妙にアレンジしちゃいますからね。
円い膝当てや改良型のカーゴポケットなどぱっと見の特徴は押さえてあるように見えますが果たして。
腰回り。ベルトループなどはさほど特徴的ではありません。
左右のポケットはボタンフライになっていますがこれは官給品も同じなようです。
脚の内側にはベンチレーション用のジッパーが。例によってメッシュ張りです。
足首回り。内側には擦れ防止のためかナイロン生地が縫われています。
二重裾になっており、内側の裾はメッシュで形成されています。
官給品はメッシュの色が茶色いですが概ね似た構造でつくってあると思われます。
ドローコードのまとめ方が丁寧です。メッシュ裾は大分長いことがわかります。
これは裾の折り込み処理を新しく配備されるハイカットとミッドカットの2種類のブーツに対応させるためなのかもしれません。
脹脛にポケットが付くようになりました。膝を付いたときなどに利用するようです。
底部分はナイロンで補強されているという手の込みよう。
これも官給品に見られる要素ですね。
こんなところに付けて邪魔にならないのかとも思いますが、狭い車内に座っているときなどは逆に出し入れしやすいのかもしれません。
カーゴポケットはEinsatzkampfhoseを改良したような形状です。こちらも底部がナイロンで補強されています。
絞りのためのナイロンテープが内側に通されています。
官給品もテープの色味や質感の違いはあれど同じ構造でしょう(官給品はエラスティックテープかも)。
Einsatzkampfhoseと違い、2つのボタンは隠しタイプです。
ポケットのサイズは多少小さくなっているような気がしますが、その分マチが大きくなっているようにも感じます。
参考サイト:Calpis is Justice
こちらは2014年製なのでまだ膝当てが四角く、脹脛のポケットもないようです。
こちらは2014年ごろに検討されていた資料から。やはり膝当てが四角く、脹脛ポケットもありません。
この時点ではカーゴポケットのボタンは1つで、2つのスナップボタンが併用されています。二重裾もメッシュではありません。
さて全体的な所感ですが、ジッパーや素材色/質感など細かい点を気にしなければ十分代用できるレベルだと思います。
(まだマニアの目が肥えていない段階だからだというのもありますが)
膝パッドは付属しない点は要注意です。
Tschüs!!
タグ :IdZ-ES
2022年02月20日
Combat Shirt SK 5FTD
前回に引き続きIdZ-ES(KBS SK)に含まれる衣料を取り上げます。
こちらは以前3FTD版も紹介したCombatCombat Shirt SKです。
5FTDとなると迫力を感じます。
前回のKampfjacke kurzと似たような様式のポケットですがよく見ると微妙に違う。
仕様を変えているのか年代による違いなのかははっきりしませんが、いずれ答えが見つかることでしょう。
腕の内側にはベンチレーション用のジッパーが。
ジッパータブが暴れないように下腕側に押さえが付くようになりました。
ジッパーを開けるとメッシュになっています。
なかなかの高機能コンバットシャツだといえますが、これを全軍に行き渡らせようとする意気込みも半端じゃない。
肘パッド用のポケットは相変わらず大きくゴツめな印象です。
これのおかげかちょっと甲冑じみたテイストになるんですよね。
トルソー部も相変わらずのぴちぴちピッチです。
肘パッドはこんなにボコボコしていて大丈夫なんでしょうか。
実際のところあまり使ってないのかなとも思います。
ついでのネックゲイター(Staubschutztuch)。これも「Feldanzug, Tarndruck, Einsatz」の一部です。
ブラウンの方は厚手で冬季向けな感じ。オリーブの方はいくらか薄手で通年用と思われます。
19年の中央統制にはオリーブのものだけ掲載されています。
外観上は特に特徴もないのでこういうところで判断するしかありません。
IdZ-ES(おそらく正確にはSystem Panzergrenadier)の先行運用部隊であるPzGrenBtl212から。
2018年頃だったでしょうか、この画像によって初めて5FTDのSKコンシャツを認知したと記憶しています。
昨年のeFP部隊から。もちろんこうした欧州危機対応型の海外派遣部隊でも見られます。
海外派遣を中心とした作戦部隊はもうすっかりIdZ-ESベースの装備になりましたね。
参考サイト:Calpis Is Justice
Tschüs!!
タグ :IdZ-ES