2015年10月10日
Hundemarke
BWの認識票(Erkennungsmarke)、いわゆるドッグタグ(Hundemarke)について~
この認識票に記載される事項を調べて自分なりに打刻してみました。
分離して回収する側と上下で対になった形で、それぞれ裏表で10か所の記載欄が存在します。
(これらは上下で全く同一の事項が記載されます)
表面にはまず1.の性別が入るのですが、どうも使用済放出品を見る限りでは打刻されない(?)ようです。
ジェンダー的な何かの影響なんでしょうかね?
2.には国籍が入ります。当然ドイツですので最初からDeutschlandの「DEU」が刻印されています。
(これが古いものになるとGermanyの「GE」に)
3.には宗教を示すコードが打刻されます。
プロテスタントであれば「E」あるいは「EV」
カトリックなら「K」
正教会は「O」
イスラム教徒が「ISL」で
ユダヤ教なら「JD」なんですが、
それ以外の仏教徒などは無打刻となります。
追記:「BD」=仏教、「HD」=ヒンドゥー教だそうですが、現在では宗教欄そのものが打刻されないようです。
埋葬方法などに関連すると思いますがもうそうした時代ではないのでしょう。
4.には識別番号(PK=Personenkennziffer)。
認識番号は11ケタ、または12ケタの数字とローマ字の組み合わせから成り立ちます。
例として「220283 O 20845」であれば最初の「220283」は生年月日となります(1983年の2月22日生まれ)。
次の「O」は下の名前の頭文字。
その次の「20845」のうち「208」など3桁の数字は地区ごとの登録事務所(※)の個別番号です。
(※:Kreiswehrersatzamt、自衛隊で言うと地方協力本部でしょうか)
Kreiswehrersatzamtのリストはこちら
208はニーダーザクセンのHildesheimですね。
登録事務所番号の後ろの「4」は「それ以前の認識番号が他者と被った場合に区別するための番号」となります。
(生年月日と姓の頭文字と登録地区が同じ他人との区別のため1から順番に割り当てられる。0は使わない)
その次の「5」はアルゴリズムによって振り分けられる番号でPrüfzifferと呼ばれます(古い物にはありません)。
Prüfzifferは認識場号が正しいものであるかどうかを判定するためのもので、
Prüfziffer以前の番号を計算に掛けることで算出します。
計算方法はこちら
念のため解説ですがまずイニシャルを番号に変換しておきましょう。「O」なら「16」です。
そのようにしてできた数列「2, 2, 0, 2, 8, 3, 16, 2, 0, 8, 4 」にそれぞれ「2, 3, 4, 5, 6, 7, 1, 6, 7, 2, 3 」を掛け算します。
出来た数列が「4, 6, 0, 10, 48, 21, 16, 12, 0, 16, 12」です。これをすべて足し合わせ「145」。
「145」を11で割り「13あまり2」。このあまった数字を11から引きます。11-2=9でこの「9」がPrüfzifferとなります。
※引いた数字が11になった場合は1、10になった場合は0とします。
難しい語を訳したので間違ってたらごめりんこ♪
私はアホなので計算を間違えました
裏面ですが5.は血液型です。一般的な「A, B, O, AB」方式ですね。
6.は血液のRh因子です。これは「Rh+」か「Rh-」になります。(hは小文字にしてください)
7.は予防接種記録。破傷風なら「T」であるなどいろいろあるみたいです。
8. 9. 10.は現在のところ使われていないようです。
さぁみなさんも打刻に挑戦してみましょう。ポンチと金ハン(と丈夫な作業台)があればOKです。
実際の打刻も手作業なのか結構雑に行われているみたいですね。
気にせずガンガンやってしまいましょう。
※メモ
「DEU」は07年以降に出現したようです。それ以前は「GE」でした。
現行の割スリットが10個のモデルは82年に登場、それ以前はスリットが8個でした。
楕円形のドックタグになったのは61年のことでそれ以前は感光式放射線量計付きのモデルだったそう。
Tschüs!!
Posted by Nekotin at 16:40│Comments(0)
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