2018年01月13日
Horrido!
Jägerbataillon 91
最近はもっぱら買い物ネタばっかりだったのでたまにはこういう記事も書かなければいけない、はず。
2015年の再編で新しく誕生した部隊の一つ、Jägerbataillon 91について。大隊パッチを入手したのでこの機会に(結局買い物ネタ)。
さてHeer 2011計画に基づいて大幅な再編が行われた陸軍ですが、変更点を片っ端から挙げていくとキリがありませんので、新設された主な猟兵大隊を見ていきますと、
・第1猟兵大隊/JgBtl 1(PzBrig 21):JgRgt 1から再編
・第91猟兵大隊/JgBtl 91(PzLBrig 9):LogBtl 3とFmRgt 1から再編
・第413猟兵大隊/JgBtl 413(PzGrenBrig 41):PzBtl 413から再編
・第921猟兵大隊/JgBtl 921:JgRgt 1から再編された予備大隊
このように予備大隊を含め4個大隊増えており、既存のJgBtl 291、JgBtl 292と合わせて6個大隊とかなりの規模に。
(第1猟兵連隊は解隊されて素材として再利用。空中機動能力を伴った連隊コンセプトはあまりうまくいかなかったのでしょうかね?)
全体的に見ると編成も装備もコンパクトにして小回りを良くしよう(あるいは予算を減らそう)といったような思想が感じられます。
これら新生の4個大隊は予備大隊であるJgBtl 921を除くとオーソドックスな歩兵大隊構造になっております。
すなわち、第5中隊として重猟兵中隊を伴う5個中隊編成です。さらに新兵教育中隊(第6中隊とは呼ばない)も持っています。
基本的には以前取り上げたJgBtl 292の構造に近いものと考えられますね。
JgBtl 921は4個中隊編成で、所属する隊員は陸軍補強戦力(ErgTrT Typ 2)という特別な指定を受けた予備役です(地方コマンド下にあるRSU中隊や動員計画の無い一般予備役とは異なる枠組み)。
さて本題であるJgBtl 91ですがその数字から読み取れるように第9装甲教導旅団(PzLehrBrig 9)に属しています。
「91」は第9旅団の1番目の大隊という意味で、第92装甲擲弾兵教導大隊(PzGrenLehrBtl 92)や第93戦車教導大隊(PzLehrBtl 93)とは兄弟のような関係に。教導旅団所属ですが猟兵教導大隊とは呼ばないんですよね。それに関しては同じ旅団に属する(同じタイミングで第33戦車大隊から改編された)第33装甲擲弾兵大隊も同じですが、こっちはプーマやIdZ-ESを運用したりとかなり教導大隊っぽい仕事をしています。JgBtl 91については特に装備が充実した様子は見られませんので、さほど特別扱いはされていないのでしょう。
とはいえVJTF(NRF内の即応部隊枠、つまり即応部隊の即応部隊)に指定されたぐらいなので期待度は高いようです。
ベースになった部隊は第3兵站大隊(LogBtl 3)と第1通信連隊(FmRgt 1)で、それぞれ部分的に人事異動されたほか、その以外の部隊からも人材が合流したようです。
車両や大型兵装はJgRgt 1から由来したか、保管品を引っ張り出してきたと考えられます。
(解体されたJgRgt 1の重猟兵中隊は2個、対して新設された重猟兵中隊が3個となるので、ヴィーゼルや120mm迫撃砲などは別のどこからか補充せねばなりません。降下猟兵大隊が連隊化する際に2個重降下猟兵中隊が削減されているのでそのあたりから?)
第9旅団の1番目の大隊といえば、かつては第91戦車教導大隊(PzLehrBtl 91)が存在しましたが大分前に無くなっているのでJgBtl 91との直接的な関係はないでしょう。
むしろ部隊章の意匠となっている「死んだ鹿の頭部」はかつてベルリンのコマンド下にあったJgBtl 1(JgBtl 581からの改名なので現在のJgBtl 1とは別物)を想起させますね(まぁこっちも直接は関係ないんでしょうが)。
「死んだ鹿の頭部」といえばもう一つ、"Jägermeister"も連想しますがこちらは猟師の守護聖人が由来とあって猟兵そのものとの関連も見出せそうです。
JgBtl42なんてもろにJägermeisterですしね。
(Foto : Bundeswehr)
前述のように、少なくとも個人兵装はあまり充実していないように見えます。銃も古いまま。
JgBtl 291みたいにIdZ-ESが供給されているわけでも、JgBtl 1のようにテスト運用部隊を持っているわけでもないので、まぁこれが猟兵部隊の標準的な装備体系なのかもしれません。
上に示したのは戦闘中隊の様子ですが、部隊予算や個人で買った民生装備品か、そうでなければS95のような基本キットといった感じ。
VJTFの指定もあって今後中央予算による豪華な装備が供与される見込みもありますが(PzGrenBtl 371みたいに)。実際その影響かBoxerとの露出も増えました。
一見シンプルに見えてなかなか奥が深そうな猟兵部隊。今後の活躍にも注目したいところです。
趣旨はずれますが、かつて地域コマンド下にあった予備猟兵大隊やHeimatschutzbataillonも掘り下げていきたいところ。
Joho!
Posted by Nekotin at 17:36│Comments(0)
│編成とか