2017年01月03日
艦を守る人達
前回空軍のAMPTについてまとめたので今回は海軍の似たような組織について。
特に新しい部隊というわけではありませんがこの機会にMPEを。
まず簡単に現在の海軍の構成についてですが実働部隊について言えば大きく3つの枠組みに分かれています。
・第1艦隊(Einsatzflottille 1)
・第2艦隊(Einsatzflottille 2)
・海軍航空隊(Marinefliegerkommando)
海軍歩兵戦力を擁する海兵大隊(Seebataillon)は第1艦隊に属しています(海軍特殊部隊KSMもこっち)。
さて海兵大隊内部には臨検部隊であるBEK、海軍歩兵部隊であるKEK(Küsteneinsatzkompanie=沿岸展開部隊)、機雷処理部隊(MiTaKp)、偵察部隊などが置かれています。いずれも中隊規模。
前提だけでもややこしいですが今回はKEK内部の様子を見ていきます。
Mobile Protection Element (MPE)
MPEは海軍艦艇に乗艦する保安チームです。
MPEの基本単位はチームリーダーとしての上級下士官(Portepeeunteroffizier)と3名の兵卒(Mannschaftslaufbahn)の計4名から構成されます。
Mobile Protection Element (Photo:Deutsche Marine)
彼らは基本的に海兵大隊(またそれ以前はMSK)で歩兵として訓練を受けており、運転手、モーターボートの操縦手、狙撃手(必要に応じ)等各種スキルを持つものが所属しています。必要に応じてその艦の水夫によってチームを増強することがあります。
主にアフリカ派遣などにおいてスピードボートで攻撃を加える海賊のような非対称脅威に対処するわけですが、港や海岸近くでも陸上からの脅威に対して身構えます。
(MPEの規模は艦によって異なるがフリゲート艦の場合は比較的大きく、そのような艦は通常臨検隊=BEKも乗艦している)
Mobile Protection Element (Photo:Deutsche Marine)
迷彩服で乗艦しているのは大抵保安任務を担っている人たちなのですぐ分かります。
アーマーはSTやIdZなどSK4クラスのものを。ヘルメットは状況に応じて被るようです。
KEKの任務の一つにVessel Protection Detachment (VPD)が存在します。
これは民間商船に搭乗し安全を提供するという民間警備会社じみた任務です。この場合のチームリーダーは必ず士官で救護要員も随行します。この任務はMPEの担当分野かと思いますが性質的にBEKが関わることもあるようです。
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MPEは艦艇を中から守るのが仕事ですが外から守る組織も存在します。
Harbour Protection Element (HPE)といい(派遣先の港などで)停泊中の艦艇を守っています。
こちらは規模が大きく1個小隊程度の大きさとなります。
(あまりはっきりしないんですがそれっぽいものを参考画像に)
海軍の歩兵部隊と聞いてイメージするのはやっぱりHPEの方でしょうか。
港湾部で撮影会があれば海軍で参加したいものです。
参考動画はMSK時代のMPEから。サムネはHPEっぽいですね。
海兵大隊の兵員、つまるところ海軍の歩兵たちは「76er」と呼ばれることがあるのですが、これは海軍の職業分類(Verwendungsreihe)を表す数字に由来しています。
30番代が兵器関連の分類で砲雷作業員が31番、Kampfschwimmerなら34番、Minentaucherなら37番などといった具合。
また職種記号から「脳味噌に何もなければ錨にも何もない」と揶揄されるとか。なんとなく立場を察してしまう……
Tschüs!!
Posted by Nekotin at 20:17│Comments(0)
│編成とか