2015年10月18日
Kampfjacken
BWにおけるスモックことKampfjackeの多くはほとんどよく似た性質を持っております。
ここでは2種の代表的なKampfjackeである「Scharrer」製と「Arktis」製を比較してみましょう。
なお前者はLHBwによって調達された官給品で、後者は民生品です。
Scharrer製。Kampfjackeとしては古典的なスタイルを持っています。
これはBWB(またはBAAINBw)によって管理される技術仕様書に基づいて製造される官給品で、
Einsatzkampfjackeと呼ばれるモデルです。
(したがって官給Kampfjackeを供給するFEC.S.A、WATTANA等でも同じモデルが作られている)
フード前縁には針金が仕込まれており、自在に形を変えることが可能。
後頭部にはフードを丸めておくためのベルクロが縫われております。
2008年製。基本的なデザインは2000年代初頭から変わっておりませんが08年モデルの色合いは赤みが強めだとか。
生地はリップストップでコットン50%/ポリエステル50%の混紡。
Einsatzkampjackeにもschwerとleicht(トロペン)の2種が存在するのですがこのモデルは前者。
後者だと65%/35%の混紡となるようです(リップストップではない?)。
3FTDだとまたまた事情が変わってくるみたいですが。
ポケットは13か所。胴体周りのポケットは大型で大容量。
大型ポケットの内側にはそれぞれD環が縫い付けられており脱落防止紐を接続することが出来ます。
両肩には官給品らしく(?)国旗が付きます。その下には正方形のベルクロベース。
これは血液型パッチのためのスペースだと思います。
(RhプラスをCDe、cDE、cDe、CDEで、Rhマイナスをcde、Cde、cdE、CdEで表したアレのこと)
右腕ポケットはマチが付いて膨らんだ形ですがこれは包帯を収納するためのデザインだとか。
よくフラップの隙間から円柱状の物体がチラ見えしてるんですがあれは一体……
左腕ポケットは薄く、2つに分けられておりペンやコンパスを収納するためのデザイン。
腰の両サイドに位置しているポケットにはIFAKを収納してみる。
ODの三角巾にくるまれた状態で入っているフォトを何度か見たことがあるのでこういう様式なんでしょう(適当)。
続いてアークティス製。B221というモデル名を持ちますが基本的な仕様はScharrerと変わりません。
Arktis製Kampfjackeは2001年頃にSurvival Equipment名義での納入があったようです。
とするとこのモデルが後の官給品(Einsatzkampfjacke)の元ネタになったとも考えられますね。
堂々のMADE IN ENGLAND、軍用スモックの本場と言えばイギリス?。
混紡は50%/50%でリップストップ。薄い生地でScharrerより軽い。
(ScharrerもKampfjackeとしては軽い方なのだそうですが)
バイアスが縫われた特徴的な肘当て。Arktisか否かは大体ここで判断しちゃいますw
袖はベルクロ留めですがリブ生地のモデルも存在するんですよね。
(Survival Equipmentタグを見れば一発なんですがおそらくリンク先がBW納入仕様でしょうね。背中の偽装ループにも注目)
同様にScharrer製にも今回のようなリブ生地袖とベルクロ留めがあります。
(こちらはschwerとleichtの差かも)
Scharrer同様、前身頃はジッパーとボタンで閉じます。
ジッパータブにマイクロライトを付けるとオシャンティック。
左腕ポケットはScharrerと同じなのですが、右腕ポケットは小さめでドットボタン留め。
包帯を収納できる大きさですがEinsatzkampfjackeに再設計するうえでは容量が大きく取られたのでしょう。
BWといえばスモック(Kampfjacke)!! なんてイメージを持つ方も多いかも。
LRRPコンセプト(ドイツで言うとFernspäherとか)によるロングトレッキングなシチュエーションが印象深いせいでしょうか。
今回は陸軍KSK……ではなくFSLK200……でもなく海軍特殊部隊……でもなくFschSpezZgという体で装備をまとめてみました。
似ているようでちょっとずつ違う。どれも無線関係が厄介なんですよね……
Einsatzkampfjacke(官給品)もArktis B221もいろいろなところで使えるマルチな存在ですから、
スモックの購入をお考えの方にはおすすめさせていただきます。
使用状況とかは次回で……
Tschüs!!
Posted by Nekotin at 19:32│Comments(0)
│ブンデス衣料