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Posted by ミリタリーブログ at

2018年12月16日

投げるマン

手榴弾の話です。

現在ではIdZのモジュラーポーチや支給ベストの縫い付けポーチでDM51などの手榴弾を安全に携行できるわけですが、
システム95やそれ以前の古いサスペンダーキットにおいては手榴弾用ポーチが支給されている様子は見られません。

私が認知していないだけで専用ポーチがあったのか、あるいは特にそういった用具はなく適当に持ち歩いているのか、
画像や動画を見ても手榴弾を(見えるところで)携行しているシーンというのが存外見つからないのでなかなかに謎です。

先日ついに手榴弾の取扱資料「ZDv3/17」を入手したので、かねてから疑問であった「携行方法」について見てみましょう。




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〇画像・動画に見る携行方法




資料の内容に入る前に動画に見る携行方法を。胸のあたりの青い物体がDM51の訓練用モデルDM58です。
西独時代のサスペンダーキットのストラップにピンのリングを繋いでぶら下げる方法。危なくないのか……




動画はこちら(1分50秒あたり)







書籍から。サスペンダーから針金を伸ばしリングを通す。また、ベルトと腹の間に挟むなど。

昔の人全体的に手榴弾の扱いが雑過ぎない……?






ハンメルブルクの教導部隊ではシステム95用の専用ホルダーが見られます。
あくまで教導部隊の試験用らしく全軍への普及は無かった様子です。



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〇ZDv3/17に見る携行方法

それでは資料本編を見てみましょう。


手榴弾の携行方法は状況や準備の度合いによって異なります。
・ズボンのカーゴポケットに入れる
・雑納やバックパックに入れる
・ストラップ付の持ち運びバッグに入れる(画像Bild-101/102参照)




ええ……(困惑)

ズダ袋を首から下げて柄付手榴弾をつっこんでた第一次大戦時のStoßtruppenかよォ……

文章を見るに持ち運びバッグは各自工夫して用意しろってことでしょうね。









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このまま終わるのはあんまりなので同資料より手榴弾の投げ方について。

〇手榴弾の投擲プロセス


・レバーは手のひらの方へ向け、親指と人差し指の間に入れる(Bild-106)
・握った手を太ももに当てて支える(Bild-107)
 (ピンを抜いた時の反動で手榴弾を取り落さないようにでしょうか?)
・人差し指をピンのリングにかける
・ピンを引き抜く
・その直後に投げる



〇手榴弾の投擲法



投擲法には2種類あります。
Bogenwurf(弓型投げ):離れた敵に対して使う。やり投げのように投げる。
Schleuderwurf(投石器投げ):ドアなどに投げ込む場合に使う。すくい投げ。

森林部の戦いにおいては枝やカモフラージュネットに跳ね返る危険がありますので、このような場合は転がすこともできます。
市街戦では敵に対して上階層から落とすことも。




〇投擲時の姿勢




状況によって立ったまま、あるいは膝立ちで、あるいは伏せた状態から投げます。
小銃等の武器はいつでも使える状態にしておきましょう。

この辺は見たまま、というか各所で解説されている米軍や自衛隊とおおむね同様かと思います。






今回はこのあたりで。掘り下げられそうであればまた次回に。

Tschüs!!

  

Posted by Nekotin at 11:31Comments(0)考察